2021/06/10

ジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンを接種

とりあえず今のところは…

正確には「ジョンソン・エンド・ジョンソン」傘下のヤンセンファーマ(ベルギー)です。1回接種型の新型コロナウイルス感染症予防ワクチンとなっており、日本でも承認申請したと発表しています。承認が得られた場合、2022年初頭にも日本にワクチンが供給できる可能性があるとしています。ファイザーやモデルナと違い「ウイルスベクターワクチン」というもの。

接種後の副反応としては他社のワクチンと同様の症状があり、さらに接種後6日~13日後にごく稀なケースとして、血栓と関連が疑われる症状に注意するよう言われておりました。
例えば、息切れ、胸の痛み、脚のむくみ、長引く腹痛、長時間の激しい頭痛や目のかすみなどの神経症状、注射を打った部分以外に出る小さな皮下出血斑など。ワクチン接種3週間以内にこれらの症状がみられた場合は、早急に診察を受けることが求められていました。
私の場合は5月26日に接種し、2週間経過して特に問題なさそうです。

(このような証明書が保健省のページからダウンロードできます)

当日、接種会場に到着して、受付、問診、接種、待機で1時間ほどかかりましたが、ファイザーかジョンソンかを選択することができました。私は「一回接種型」という誘惑に負けてしまいましたが、実はイタリアではファイザーの希望者の方が多く、ジョンソンの希望者が5人集まるまで少し待って、まとめて打つということでした。
その後はスムーズに終了し、直後は局所反応として接種部位を「グーでパンチ」されたような痛みが10分ほどあり、徐々に引いて来ました。その日の夜からは全身反応が始まり、軽い頭痛、脇の下のリンパの痛み、倦怠感などです。倦怠感に関しては加齢から来るものなのかの判断に悩みましたが、翌々日には急に全身が軽く感じたので「加齢ではない」と信じることにしました。その後、接種部位の軽い筋肉痛は5日ほど続き、晴れて解放された状態です。

現在の感染状況とワクチン状況

6月8日現在の感染状況はイタリア国内6000万人の人口に対して新規陽性者1900人程度、ロンバルディア州1000万人に対して300人程度(検査数3万4000人)、ミラノ市内130万人で19人の新規陽性者となっております。

(去年は6〜8月が減少期間でした)

一方、ワクチン状況は、被害の多かったロンバルディア州が優先され、1000万人の人口に対して一回接種は460万人、二回接種は212万人、トータル679万回の接種が終わっています。現在、12歳以上であれば誰でも予約することができ、ファイザーの場合は一回目と二回目を21日間空けて行うところを、もう少し間隔を空けることによって出来るだけ多くの人に一回の接種をしてもらうという方針です。

ちなみにイタリア全体では今のペースで進んでいくと、9月18日に国民の8割が接種完了する予定です。

グリーンパスという自由の権利を得る


グリーンパスの目的はEU内の自由な移動を促進し、旅行や移動を可能にする権利です。世界的に見ても、パスの導入により「就労・観光目的でEU内外を安全に移動する」ことが徐々にできるようになり復活への兆しが見えて来ることとなります。
現在イタリアでは、夏の観光シーズンを前に観光客を呼び込む動きが加速しています。4月下旬にはワクチン接種を終えた人からのワクチンパスポートの国内運用が開始され、5月15日から、EU域内国やイギリス、イスラエルからの来訪客について、ワクチン接種や感染からの回復、陰性確認により隔離無しでの入国を認める方針です。
このヨーロッパグリーンパスの規則は、現在、加盟国間の旅行にのみ有効となっていますが、日本は「安全国」としてEUでも認証されているので、国際的に通用する「ワクチンパスポートのようなもの」を早めにリリースすることを望みます。
イタリアのドラギ首相は、具体的な受け入れ開始時期には言及しませんが、国会での質問に対しワクチンを接種した日本人観光客に対して、隔離なしに入国を認める方針を固めたと答弁しました。またアメリカやカナダからの観光客についても、入国時の条件を緩和する見通しであると述べました。

鬼は「内」、福は「外」?

1年間こちらのブログでイタリアの近況をお伝えさせていただきました。新規陽性者の増減に一喜一憂しながら過ごして来たわけですが、最終的に分かったことは「ワクチン接種以外の解決はなかった」ということでした。
当初のパンデミックによるロックダウン時には、得体の知れないものに対する恐怖から、とにかく外に出ないで息を潜めて過ごして来ました。しかし、一年前のこの時期に比べて今の方が感染者の数は多くなっていますが、人々は外に出ています。単に「慣れ」と解釈をするのではなく、実のところ「外の方が安全」であることに気がついたのです。
去年のデータによるとイタリアでは8月は激減します。一方、日本は増加します。
何が違うかというと、日本のように夏はクーラーで室内を締め切らないというところです。イタリアは5月ことから徐々に気温が上がり、窓を開けるようになります。さらにクーラーのない家庭では扇風機で空気を巡回させているので「密」になることは絶対にありません。
ロンバルディア州では先月、5月に飲食店の営業が再開されましたが、屋外での飲食のみとなっていました。飲食ではマスクを外しイタリア人特有の大声で会話していましたが、特に感染拡大することはありませんでした。

つまり、外に出ることを怖がるのではなく「中に入る」ことを怖がらなければいけないんです。去年は秋から新規陽性者が爆発的に増加し、ほとんどのケースは家庭内感染でした。たった一人の人間が家族全員に感染させるわけですから、感染者が倍増するのは仕方のないことです。

去年の12月にワクチン接種が開始されたので、9ヶ月は有効とされていますが、初期の頃に接種した人は秋には3度目の接種が必要になってきます。まだ正式には決まっていませんが、おそらく三回目に関しては大規模接種会場ではなく、かかりつけ医によって個別接種になる可能性があります。
その時、初めて新型コロナというものが、ただの「流行病」になる瞬間なのかも知れません。

イタリア旅行再開にあたり「何が」不安材料ですか?


色々と日本の方に聞いてみたのですが、
「アジア人ヘイトが怖い」
「移動中の車内が密になるのではないか」
「どういう人が案内してくれるのか」などを伺いました。

この3つの解決策は簡単です。
「事前にリモートで打ち合わせをして現地ガイドを面通ししておく」
「毎回人が変わるのではなく、同じ人が通しで案内をすることによって注意事項を統一」
「バブル方式で、不特定多数の現地の人と接しない」コレで十分です。

コロナ前と違って、リモートで打ち合わせも当たり前になって来ました。
アフターコロナの旅行は、日本での話し合いだけでなく、現地の人も交えて「旅」を作り上げていくことが「安心安全」に繋がるのではないかと思っております。

皆様はいかがお考えでしょうか?
ご意見お聞かせください。

川倉靖史、ミラノ