ギリシア神話の舞台
シラクーサ、オルティージャ島にあるパピルスの茂るアレトゥーサの泉。
アレトゥーサとは、ギリシア神話に登場する 月の女神アルテミスに仕えた妖精の名前です。
彼女は、シチリア本土に流れるチャーネ川の精と仲良くしていました。ところが、彼女に横恋慕した海の神ポセイドンが、二人の仲を引き裂こうとして地中海の幅を広げてしまいました。
それ以来、シラクーサは今のような地形になった ・・・という伝説が伝えられています。
海に面しているにもかかわらず、 アレトゥーサの泉からは こんこんと淡水が湧きだしています。
また、チャーネ川とアレトゥーサの泉に生えるパピルスは、どちらも茎の断面が丸い形●をしています。これはナイル川流域に自生するパピルスと同じです。
他のヨーロッパのパピルスは茎の断面が三角形▲になっているそうです。
シラクーサは、紀元前8世紀にギリシアの植民都市として建設され、紀元前5世紀には政治・文化の拠点としてあのアテネと競うほど栄えました。そして伝説の王ディオニュシオスの時代に最盛期を迎えます。
2005年に世界遺産登録を受けた後、修復やホテル建設が急ピッチで進められ、続々と観光客が訪れています。
考古学公園
演劇が盛んだったシラクーサ。シチリア本島側にある考古学公園に残る古代劇場はヨーロッパ最大級で、実に15,000人を収容!
現在も毎年5月・6月にギリシア悲劇が上演されます。
考古学公園内には、神殿などの建設時に石を採取した石切り場の跡が点在しています。
「ディオニュシオスの耳」という石切り場跡は、高さ36m、奥行き65mの洞窟です。
洞窟の奥でも、入り口の音が聞こえるほど高い音響効果があります。
古代ギリシア時代の僭主(独裁者)ディオニュシオス王は、この洞窟を囚人や捕虜の牢獄としても活用しており、洞窟内の天井から彼らの話を盗み聞きしていたという言い伝えが今に残っています。
ディオニュシオスの耳という名前は、シラクーサを訪れた画家カラヴァッジョによって付けられました。
また、ディオニュシオスは太宰治の小説『走れメロス』に登場する、メロスを苦しめた王のモデルとされています。
考古学公園内に位置する州立パオロ・オルシ考古学博物館は、シチリア島で最も重要な博物館で、ヨーロッパでも有数の博物館です。
博物館の至宝が、1804年に発掘された「ランドリーナのビーナス」。フランスの文豪モーパッサンが「ミロのヴィーナスより美しい」と絶賛した女神の姿は必見です。
オルティージャ島
オルティージャ島に戻り、のどかな街を散策してみましょう。
世界遺産登録事由となった、バロック様式の街並みが目を楽しませてくれます。
カーブした道が多いのは、海から吹き付ける風の勢いを弱めることと、戦争の際、敵軍の侵入するスピードを抑えることを意図しているそうです。
最近修復を終えたドゥオモです。
内部に足を踏み入れると、紀元前5世紀のアテナ神殿の円柱が現在もなお建物を支える柱として活用されているから驚きです。神殿がビザンツの教会に改修されたのは7世紀半ばのこと。さらにその正面は、1693年の大地震の後、バロック様式に改修されました。
このドゥオモ前の広場は、ジュゼッペ・トルナトーレ監督、モニカ・ベルッチ主演の映画「マレーナ」のロケにも使われました。
アルキーメデ広場に面したお洒落なバール「レ・アンティーケ・シラクーセ」。
DOP認定を受け、シチリアでも指折りの品質を誇るシラクーサのオリーブオイルやトリノ、ペルージャと並ぶ「イタリア三大チョコレート」の一つモディカのチョコレート(画像右)、 シチリア特産「ネーロ・ダーヴォラ」等のワイン、 そして雑貨類も豊富に取り揃えています。
シラクーサを訪れたら、ちょっとお店の中をのぞいてみませんか?
四方を海に囲まれたシチリアは、魚料理の種類がほんとうに豊富。
ウニたっぷりのパスタもお召し上がりいただけます。
シーフードに定評のあるシラクーサの人気リストランテ「アルキメデ」にて。
TRATTORIA ARCHIMEDEホームページ
古代神話から建築、シーフードと、多彩な魅力あふれるシラクーサ。
シチリア旅行の際は、ぜひ足を延ばしてみてはいかがでしょうか?
画像: World Air Service Co.,Ltd & Wikimedia Commons
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