2014/10/28 に投稿しました

保留コーヒー?

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実家の思い出は、やっぱりコーヒーに密接に結びついています。
コーヒー粉の香り。早朝にコーヒーを作る母。Caffettiera(カッフェッティエーラ、コーヒーメーカー)の中で、コーヒーの汁がボコボコと沸き立つ音。目をつぶったまま、音を立てながら一気にコーヒーを啜る父‥など。
きっと、ナポリのどこの家庭でも、似たようなことが毎日行われます。

ナポリでは、コーヒーは色々な役目を果たします。

朝に体を起動させる欠かせない燃料。お昼と夜の食事を終わらせる。仕事の合間に休憩したり、同僚と交流したりするきっかけになります。
何よりも、人付き合いや人間関係を円滑にする飲み物です。

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その中で、私が特に素晴らしいと思う習慣がCaffè sospeso(カッフェ・ソスペーソ)です。
直訳は「保留コーヒー」。
えぇぇ?保留コーヒー?いったいどういう意味?
と驚く方がいても可笑しくありません。

Caffè sospesoは19世紀にナポリで生まれた制度です。
経済的に余裕があるお客がバーでコーヒーを2杯分の代金を払うことです。1杯を飲んで、もう一杯は保留コーヒーになります。次にバーに入った人は、「保留コーヒーありますか?」と聞いて、保留コーヒーをただでもらいます。
抑々この制度は、貧しくてコーヒーすら買えない人のために生まれたそうです。
現在は、機嫌がいい日や、何かいいことがあった日に2杯分を買う人がいます。

Caffè sospesoは最近また流行るようになって、イタリア国外にも広まりました。
それに、2010年にCaffè sospesoネットワークが結成され、12月10日がCaffè sospesoの日に指定され、2011年以来毎年この日に様々なイベントが開催されます。

ナポリのこの独特な制度はナポリ人の温かい心と気前のよさの証だと思います。

次回、ナポリを尋ねた時にバーに入って「C’è un caffè sospeso?」(チェ・ウン・カッフェ・ソスペーソ? 保留コーヒーはありますか)を聞いてみてはいかが?(^_^)

Caffè sospeso制度を採用しているナポリのバーは次の通りです。

Bar Settebello” di Pino Stasio
住所:Via Benedetto Croce 8

Gran Caffè Grambrinus
住所:Via Chiaia 1

Cafè Letterario IntraMoenia
住所:Piazza Bellini 70

Gran Caffè La Caffettiera
住所:Piazza dei Martiri 25

Galleria Nea
住所:via Costantinopoli 52

Caffè San Lorenzo
住所:Via dei Tribunali 83/84

イタリア国内外のバーの一覧はこちらのページにて確認してください(イタリア語のみ)
 http://www.retedelcaffesospeso.com/i-bar-e-i-locali/

ナポリのコーヒーはどう思いますか?保留コーヒーを聞いたことありましたか。コメントを待っていま~す!

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