2021/03/09

ロックダウンから1年過ぎて

一進一退を繰り返す感染状況

イタリア政府は8日、国内の新型コロナウイルスの死者が10万人に達したと発表しました。

これは米国、ブラジル、メキシコ、インド、英国に次ぐ世界6番目の多さで、新規陽性者のうち英国由来、南アフリカ由来、ブラジル由来とする変異株の陽性者の割合が増え警戒を強めています。ロンバルディア州では新規陽性者の6割が変異株とも言われています。

新しく就任したドラギ首相はビデオ声明で、イタリアで初めて新型コロナ対策のロックダウンが実施された1年前には「想像もできなかった」死者数だと指摘し、ワクチン接種を進め、一刻も早く日常に戻るため「あらゆる手段で国民の命を守る」と強調しました。

しかしイタリア国内では依然として連日数百人が死亡している現状です。

ワクチン接種も12月27日からスタートしてもなかなか感染拡大が止まらず、むしろ悪化しているようにも見受けられます。やはり一定の割合にワクチンが広まらないと効果が出ないのでしょうか?

https://lab.gedidigital.it/gedi-visual/2020/coronavirus-in-italia/

赤い波線があるのは月曜日に発表される新規陽性者数が少ない関係ですが、点線が週ごとの平均で、やはり少しずつ悪い状況になっています。

ヨーロッパ各地の新規陽性者数ではあれだけ酷かったイギリスも今は一番の優等生で、日を追うごとに減少傾向が見られます。それもその筈、ワクチン接種の数が他国に比べて圧倒的に多いからだと思います。勝手に変異株を広めて、勝手に逃げ切りました。

https://lab.gedidigital.it/gedi-visual/2021/report-vaccini-anti-covid-aggiornamento-vaccinazioni-italia/

イタリア国内のワクチン接種は2月後半から80歳以上の接種が始まり、グラフを見てもかなり増えてきています。また新たなカテゴリーとして学校関係者と、軍関係者も第一グループに加えられて接種が進められています。

https://lab.gedidigital.it/gedi-visual/2021/report-vaccini-anti-covid-aggiornamento-vaccinazioni-italia/

また「ワクチン・シミュレーション」なるものがありまして、これを見ると、

ワクチン接種が終わるのは「2022年6月28日火曜日」

「イタリア国内で2020年12月27日からワクチンの接種が始まり、本日2021年3月9日の段階で574万回が接種済みですが、人口の7割が2回接種するにはまだ7775万回分が必要です。今の段階でワクチン接種は1日平均16万人、この調子だと目標を達成するにはあと1年3ヶ月と8日かかります。もし目標の2021年9月までに終了するのであれば、1日38万人がワクチン接種をしなければいけません。」

https://lab.gedidigital.it/gedi-visual/2021/covid-19-vaccini-scopri-in-tempo-reale-quando-saremo-tutti-vaccinati/

といった内容です。今の倍のスピードで進めて行かないとですね。ちなみに9日に日本国内でワクチン接種を受けた人数は3万6000人です。日本の人口はイタリアの2倍ですので、ちょっと急いだ方がいい気が…。

2026年ミラノ・コルティーナ冬季五輪

少しは明るい話題がないかと思いまして…。

2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪の組織委員会は7日、大会エンブレムの2候補を公式サイトで公表し、インターネット投票を実施すると発表しました。ともに数字の26をモチーフにしたデザインで「史上初めて、イタリアの冬季大会のロゴ選定に参加できる!」と呼び掛けました。

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上のデザインは「未来」下のデザインは「サイコロ」。どちらが選ばれるでしょうか?

2026年2月6日から22日まで開催される予定の冬季オリンピックは、ミラノでは初開催、コルティーナでは1956年以来70年ぶりの開催です。イタリア国内の冬季オリンピックは2006年のトリノ以来20年ぶり3回目となります。

しかし、ミラノ~コルティーナ間の距離は250キロ離れている関係で、複数の都市による共同開催も史上初となります。

おそらく開会式と閉会式は2都市同時のリモート開催になる可能性があります。

YouTube始めました

私ごとですが、ミラノの紹介を少しずつ動画で配信を始めました。



構成と撮影と編集は私が担当しており、案内は同じガイドの同僚と持ち回りで行なっております。どうしても自分の好みで歴史を深く掘り下げた内容になってしまうのですが、これには理由がありまして、現在、すべての美術館が閉鎖されています。教会も信者以外は入れない関係で、視覚的に何かを説明できず、内容の方に重点が置かれてしまいます。

一般的なガイドブックに書かれていないことをご案内しておりますので、少しイタリア旅行上級者向け話題の感じがしますが、ロックダウン明けには少しずつ軽めの紹介もしていきたいと思っております。

お時間のある時にでもご覧ください。

(川倉靖史、ミラノ)