◎クロ・リュセ城
今からおよそ500年前、1516年にレオナルド・ダ・ヴィンチはフランソワ1世の命を受け、イタリア・ミラノから移住してきました。この時にかの有名な『モナリザ』もフランスにやってきたといわれています。1519年に亡くなるまでの3年間をこの『クロ・リュセ城』で過ごしました。
このお城は小さいながらもたくさんの仕掛けがあり、訪れる人を飽きさせません。レオナルド・ダ・ヴィンチが設計をした図面をもとに、具現化したものが敷地内のあちこちに点在しているます。大人から子供までワクワクした気持ちになり楽しめます。城内の小さな小さなチャペルには彼が手掛けた壁画が残されています。また庭園は、『レオナルド・ダ・ヴィンチ・パーク』と名付けられ、森の中にもたくさんの作品が展示されています。
◎オーベルジュ・プリウレ ~レオナルドの時代へ美食旅行~(L’Auberge du Prieuré : un voyage gastronomique au temps de Léonard)
クロ・リュセ城の敷地内にあるレストランでは、お店の名前の通りレオナルド・ダヴィンチの時代の食事を楽しむことができます。このレストランは開店当時たいへんな話題となり、日本の謀テレビ局も取材に来たそうです。シェフも日本のテレビに出たことをご自慢そうに話していました。振舞われたお料理は意外にも現代に通ずるところが沢山あり、また香辛料の効いたワインが印象出来でした。 ぜひお試しください。
◎アンボワーズ城
15世紀、シャルル7世の時代からフランス王に愛され続けたお城。クロ・リュセ城から徒歩 10 分(上り坂)、王に謁見のためダヴィンチが通った道かぁ、なんて考えている間に到着します。(2つのお城には地下道が通じていたと思われる階段を見せてもらいましたが明らかではないそうです…。)
古城は高台ところにあるため、大変景色がよくロワール川とアンボワーズの街並みが一望できます。現在お城は一部しか残っていませんが、場内の見学も可能です。フランソワ1世の紋章であるサラマンダー(火を噴くトカゲ)が印象的でした。フランス式庭園の基となったイタリア風庭園レイアウトが施された広大な庭には、サン・ユベール礼拝堂がひっそりと佇み、レオナルド・ダ・ヴィンチはここに眠っています。
◎カーヴ・ドュアール(Cave Duhard)
アンボワーズ城から坂を下り、旧市街を抜けて、ロワール川沿いを歩くこと20 分(2 つの古城を見た後は疲労が感じられますが…)、洞窟のようなワインカーヴに到着します。ここは石の採掘場のあと、キノコの栽培に使われ 、19 世紀にカーヴとして使われるようになりました。洞窟の中には埃をかぶったボトルがたくさん保管されていて、いかにも年代物といった雰囲気です。ワインは年代やランクにより値付けされていて、30年物で36ユーロと意外とリーズナブル。今は 5 代目のオーナーが 3 月~4 月にワインを選び、ボトル詰めし、熟成させて販売しています。お店の人がカーヴの案内とテイスティングのレクチャーをしてくれます。
さて、アンボワーズの魅力が少しでも伝わりましたでしょうか。フランス人は「地方こそ美しい本当のフランスに出会える」といいます。パリから日帰り観光といわず、1泊または2泊でのんびり過ごすのもおすすめです。
<パリからのアクセス>
オルステルリッツ駅からアンボワーズ駅まではTER(普通列車)でおよそ2時間10分。アンボワーズ駅からアンボワーズ城までは徒歩およそ20分、クロ・リュセ城までは徒歩およそ30分、タクシーでおよそ10分。