大迫力のフィレンツェ風ステーキ
ビステッカ アッラ フィオレンティーナ

美食の国イタリアの中でも
特に肉料理のバリエーションが豊富な街フィレンツェ。
芸術の街としても名高いこの地で
伝統的に愛され続けている肉料理の王者が
フィレンツェ風Tボーンステーキの
『ビステッカ アッラ フィオレンティーナ』です。

見て驚き食べて驚く、
一皿で何度でも驚きを体験できる
魔法のような巨大ステーキの魅力に迫ります。

 

フィレンツェで一番有名な郷土料理と言えば、間違いなくこの『ビステッカ アッラ フィオレンティーナ』です。日本ではフィレンツェ風Tボーンステーキと表記されることが多い、ボリューム満点の骨付き特大ステーキ。仔牛の肩ロースを使用しており、その名の通りアルファベットのT字型をした大きな骨の左右に、それぞれフィレ肉とロース肉がついています。伝統的にはトスカーナ州のブランド牛であるキアニーナ牛を使うのですが、希少で価格も高いため、一般的なお店ではあまり見かけることがありません。

フィレンツェがあるトスカーナ地方は、肉食文化がとても発展したところ。美味しいお肉料理が沢山あるばかりでなく、モツなどの内臓料理やイノシシなどのジビエ料理も豊富で、まさに肉の使い方を知り尽くした食文化と言えます。そんな美食の街において、他の追随を許さぬ肉料理の王者の風格を漂わせているのが、ビステッカ アッラ フィオレンティーナ。味も見た目も大迫力で、これぞ肉料理界のキング!といった佇まいです。

 

ビステッカを注文してまず驚くのが、そのボリューム。通常は最低1kgからのオーダーとなっており、メニュー表では100g当たりの価格が記載されています。食べきれないからとあまり薄くしてしまうと、フィレンツェ流とは言えなくなってしまうのでご注意。最低でも指2〜3本分のどっしりとした厚みが、フィレンツェ風Tボーンステーキの絶対条件なのです。

 

この写真のお肉で、約1.3kg。パスタや付け合せ料理を何にするかにもよりますが、この量を2名ほどでシェアするのが一般的だと思います。イタリア人は一人で一皿平らげてしまうこともありますが、たとえ少食な日本人でもこんな量食べきれない!と見た目で判断することなかれ。脂身のない赤身なので意外なほどさっぱりとしていて、しつこくありません。日本のコッテリしたステーキとはまた違った魅力があって、脂っこいものが苦手な人や女性でもペロリと食べられてしまうんです。

 

イタリア人は、肉でも魚でもあまり脂身を好みません。肉は鮮やかな赤こそが至高!その旨味と柔らかな食感を最大限引き出すため、表面を炭火でこんがり焼いて、中は血が滴るようなレアに仕上げるのが鉄則です。そのため、地元民で賑わうようなお店で注文する時は、焼き具合を聞かれることはほぼありません。選択肢はレア一択!ある程度注文時に焼き加減のリクエストを出すことはできますが、ウェルダンや「中までしっかり焼いてください」などと頼もうものなら「焼きすぎたらビステッカではなくなる!」と反論されてしまいます。ちなみに、イタリア語でレアは「アル サングエ」。サングエとは血のことで、中はまさしく血の色をしたお肉が運ばれてきます。

 

実際に味わってみると、赤身は下手に焼くと固くなるばかりでパサパサしてしまうため、ほぼ生だと言えるようなレア具合がちょうど良いと感じるはず。表面の香ばしさが味にパンチを加え、生の赤身がしっとりと柔らかく口の中でほどけてゆくのが、最高のビステッカなのです。クセがなくアッサリとしているからか、あまり胃もたれしないのもフィレンツェ風ビステッカの特徴。こんな特大ステーキなのに、意外なほど軽い感覚で食べることができます。

イタリアの家庭ではおもてなし料理としてや、友人知人が集まった際のバーベキューの目玉として供されることも多いビステッカ アッラ フィオレンティーナ。ナポリのピザに続いてユネスコ世界遺産に登録しようという動きもあり、ビステッカはフィレンツェ人の誇りなのです。

 

味付けはシンプルにオリーブオイルと塩で、素材の旨味を一番に大切にします。レモン汁をかけたりすることもありますが、私のおすすめはバルサミコ酢。途中まで食べて少し味に飽きてきたなという頃にバルサミコ酢を上から掛けると、お酢の深みのある甘みと肉汁が絡まってまた一段と美味しくなります。
そして、最高のビステッカに絶対に欠かせないのが赤ワイン!オススメは地元トスカーナ州のキャンティワインです。ワインの酸味が肉の重量を打ち消して、パクパクいくらでもお腹に入ってしまいそう。さすが郷土料理と郷土ワインの組み合わせ、これ以上ないほど相性が良いのです。

 

肉の王様とも言えるビステッカですが、シンプルな料理だからこそどのお店で食べるかは重要なポイントです。『I’ Brindellone(イ ブリンデッローネ)』は肉料理にうるさい生粋のフィレンツェ人たちが「ここなら信頼できる!」と太鼓判を押すお店。ドゥオモなどがある観光の中心地からはアルノ河を渡った対岸にあり、ピッティ宮殿から徒歩数分。中心街からは少し離れていますが充分に徒歩圏ですし、なんと言っても歩くだけの価値はあるお店です。

 

店内は素朴な食堂風で、気張らないアットホームな雰囲気。働く人たちも皆親切で、地元民も通う隠れた名店です。価格も良心的で、満足すること間違いなし。唯一の難点は予約が取りにくいことで、常に混んでいるため数日前には必ず電話で予約をする必要があります。特に週末の夜は混み合うので要注意。ビステッカ以外の料理もとても美味しいので、ぜひ数名でシェアしながらいろんなメニューを試してみてくださいね。

フィレンツェに来たらなら一度は味わってみたいビステッカ アッラ フィオレンティーナ。まさかこんなに食べられるわけがないと思った大重量のお肉が、みるみる胃袋の中へと消えていく魔法をお試しあれ。

(記事:佐藤モカ)

 

I’ Brindellone(イ ブリンデッローネ)
住所:Piazza Piattellina, 10, 50124 Firenze
TEL:+39 055 217879

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